特別ページ 元気なおばあちゃんとピープル |
「遊佐町クラシックカーミーティング」も終盤に近づき、客足も落ち着いてきた午後2時半。 ようやく遅い昼食を摂ることが出来ました。 会場のすぐそばにある食堂「とりみ亭」では、今でも満席状態。やっと空席を見つけて場所を確保し、今回わざわざ愛知から駆け付けて見に来てくれた友人と一緒に座りました。 するとさっきまでなかったかき氷がテーブルに置いてあります。 空席がないので相席で、ということになりました。 やって来たのはご年配の女性で、手には大きなジョッキにビールを持っています。 どの時点からということなく、お互い初対面だというのにいつの間にか普通に会話し始めていました。こういう点、田舎の人々は冷たさがなくていいです。 今日は温泉「あぽん西浜」にお風呂に入りに来てみたら、いつもは静かな駐車場でクラシックカーのイベントが開催されていたのでビックリしたようです。 「その昔自分が乗っていた「愛車」と同じようなのがあった!」と大喜びしていました。 まさか今日こんなイベントをしているなんて思いもしないので、カメラを持って来ていないことを悔やんでいます。 「ならば写真撮ってあげるよ、後でホームページに載せるから」そう言って「愛車」のあるところに向いました。 その「愛車」というのがこの自転車です。これは当日スタッフが乗ってきた物で、イベント出展の対象外でした。
[ホンダ・ピープル] 普通の自転車に、わずか24ccのエンジンを搭載しただけのような「珍車」です。 ペダルで漕いで発進させ、勢いが乗ってからエンジンを回してアシスト開始という、とてもシンプルなメカニズム。 動力はタイヤに直接ローラーで伝えられ、バネで引き上げたエンジンを手元のレバーで上げたり下げたりして駆動の切り替えをしています。 今でいう「電動アシスト付き自転車」にも似たその外観。 文字通り「原動機付き自転車」で、まだ庶民に乗用車が普及しきれていない時代の物だったのでしょうか。 実際にはこれとは違うモデルだったようですが、赤くてエンジンが付いたこの自転車を見て、当時を懐かしんでいます。 てっきり60代だとばかり思っていた、好奇心旺盛なその女性は、実はもうすぐ80才になるんだとか・・・・・ 背筋はシャンと伸び、しっかりした足取りで歩く姿を見ると、その年齢はウソとしか思えません。 若いころ、こういうのに乗って仕事に買い物にと出かけたりしたこと。さまざまな思い出話と共に、今日この自転車に再び巡り会えたことを本当に嬉しそうに喜んでいました。 イベントのスタッフである自転車の持ち主も交えてお話ししました。 元気いっぱいなおばぁちゃんには、ホームページのURLを書いたカードを渡しました。 「インターネットなんてサッパリできない!」と言いながらも、「でも自分用のパソコンだって持ってるんだよ」と。 お孫さんに手伝ってもらいながら、このページにたどり着いてくれたらいいな。 クラシックカーミーティングの片隅で、こんな小さな感動と喜びを感じたような、思い出に残るホッとするような出来事でした。
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